ワークショップの場作りは「尻上がり」のイメージで

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。昨晩はバスケットボール日本代表とベネズエラ代表の試合をテレビで観ていたのですが、またしてもすごい逆転劇でしたね! 特に比江島 慎選手の連続3Pシュートには鳥肌が立ちました!

スウェーデン戦の時もそうだったように、1~3Qはじっと耐えて、4Qで爆発という尻上がりの展開は一瞬も目が離せませんね。劣勢の中でも勝ちをつかもうとする選手・監督の熱気がすさまじくて、毎試合とても胸を打たれています。パリ五輪の切符に王手をかけた次戦も楽しみです!

さて、なぜバスケットボール日本代表の話を冒頭に書いたかと言うと、実は場作りも「尻上がりが大事」と思っているからなんです。今日はこの点について書いてみます。

目次

ワークショップでの理想は参加者の「自発的」な盛り上がり

私はワークショップの成否を測る際、「ファシリテーターの介入が必要ないくらい盛り上がっていたか」を基準の1つに定めています。シンプルに言えばどれだけ自発的な対話が生まれていたかということです。

ただ、ワークショップの開幕時においては、参加者が自発的である必要はそうないと思っています。というのは、ワークショップの冒頭がファシリテーター不在で勝手に盛り上がる、ということはほぼ起こり得ないからです。特に初対面の参加者が多い場合などは、大人しい開幕となるほうが自然です。

中には最初から参加者をトップギアに持っていこうとする方もいらっしゃるかと思いますが、私はあまりオススメしていません。いきなり盛り上げようとすると、無理なアイスブレイクに頼りがちなんですよね。

このあたりのことは、アイスブレイクは盛り上がらないとダメ?という記事で紹介させていただきましたので、ご興味あればご覧ください。

大事なのは、会の中盤〜終盤、いわゆるメインディッシュの部分で参加者が自発的に盛り上がれているかです。私のワークショップデザイン、当日のファシリテーションは、参加者がこの状態に到達できることを目指しています。

イメージとしては、下記のような変遷です。青い線がファシリテーターの介入度、赤い線が参加者の主体性となります。

各フェーズでファシリテーションが意識する点

前述したように、ワークショップの冒頭では参加者の自発性は低くて当然です。会の目的や、参加者の人となりがよく分からないうちは、なかなかエンジンはかからないものです。

そのため冒頭部分では、会の目的やゴールを理解していただくこと、ファシリテーター自身へ信頼感を持っていただくこと、参加者どうしの相互理解を進めることなどを意図して、丁寧なファシリテーションが求められます。

中盤にかけては、参加者が場に少しずつ馴染み始めてきます。ワークショップの基本的なルールや進め方にも慣れてくる頃です。このタイミングでは、丁寧すぎる説明が、前へ進みたい参加者の気持ちを逆に抑制してしまうことがあります。そのため冒頭よりは簡易に、テンポ良くファシリテーションすることが大切です。

こうして序盤〜中盤で、ワークショップの内容と参加者どうしの間に良いつながりを作ることができていれば、終盤は深い没頭が生まれます。この時ファシリテーターは最小限の説明や、若干の軌道修正だけに集中します。場の流れに委ねて、どんな成果が生まれてくるのかを楽しみながら積極的に見守りましょう。

予想を超えたアウトプットが生まれる場作りのために

なぜこれを推奨するかと言うと、経験則として、終盤にかけてファシリテーターの介入度が低下していく場の方が、圧倒的な成果につながりやすいと感じているからです。

違う言い方をすれば、最後までファシリテーターが躍起になって介入しなければならない場は、最低限のアウトプットしか生まれないものです。参加者のノリが全く違うんですね。

きのう書いた記事で、対話を焚き火に喩えたのですが、ワークショップそのものも同じです。

まず小さく薄い木に火をつけて、徐々に太い薪をくべながら風の通り道を作ってあげると、炎は次第に大きく燃え上がっていきます。そうしてひとたび気勢が上がれば、あとはもう自然に任せるままで大丈夫なのです。

ワークショップでの対話は、こちらが止めても止まらないくらい、没頭して盛り上がって欲しいなあと思っています。

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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