宮城県人材活躍フラグシップ企業育成事業にて「人材シェアリング」をテーマにワークショップを開催

ワークショップデザイナーの相内です。先日は株式会社プロジェクト地域活性様にご依頼をいただき、企業間の人材シェアリングを実現するためのプラン作りについてワークショップをご提供させていただきました!

こちらは宮城県人材活躍フラグシップ企業育成事業「人材活性塾 2023」の活動の一環で、県内企業の経営層の方々がご参加されています。

今回は人材シェアリング(企業間シェアリング)というあまり馴染みのないテーマながら、意見交換がとても活発で、新しい人事施策が生まれる兆しを強く感じさせていただいた3時間でした!

目次

なぜ人材シェアリング?

ワークショップの開幕では「そもそも、なぜ人材シェアリングについて検討する必要があるのか」からお話をさせていただきました。

ワークショップは、扱うテーマに対しての前向きな動機や、 明確な理由を共有できている方が対話が盛り上がるものです。ですが、人材シェアリングの必要性に迫られていたり、積極的に取り入れたいと思っている企業はきっと少数派だろうと思われます。多くの企業の方々は (私が考える意味、必要ってあるのかな?) という疑問をお持ちになりながらご参加されていたことでしょう。

そこで、2050年の日本は2,000万人の労働者減が予想されていること、2045年の東北地方は現在と比べて約180万人の人口減少となる見込みであること、フリーランス等の働き方を志す人が増加していることなどの大きなトレンドをご紹介し、これから先は労働市場が激変していく可能性が高いことをお話しさせていただきました。

東北地方の人口減少については、現在秋田県が90万人、山形県が108万人なので、おおよそ東北から2つの県がなくなるくらいのインパクトなんですよね。これはつまり、既存の延長では太刀打ちできない未来が現れる確率が非常に高いということでもあります。

こうした問題にいざ直面してから人材確保/育成の施策を練り上げるのでは手遅れです。今から少しずつ実験を重ねて行って、未来への備えを充実させておかないと、急激な環境変化に翻弄されてしまうでしょう。

ですから人材シェアリングという手法は活用可能かどうかを、追い詰められてから考え始めるのではなく、余力があるうちにトライアルを進めていく。そうして、自社にとってメリットがあるかどうかを先回りで確認していければ、選択の幅が広がるはずだと思うのです。

トライアル施策を検討するための3ステップ

それから、①資源の発見 ②理想の確認 ③トライアル施策の検討 という3つのステップで対話を深めていただきました。

資源の発見パートでは、自社にはどんな部門や業務が存在しているのかを洗い出していただきました。これは、他社からの社員を受け入れるとしたらどんな成長機会を提供できそうか、自社の部門はどこが強くどこが弱いのかなどを具体的にイメージいただくためです。

それから理想の確認パートへと移り、人材シェアリングで受け入れる他社の社員には、どのような領域で活躍して欲しいか、どのように自社の成長をリードして欲しいかを想像いただきました。

最後のトライアル施策実施のパートでは、上記を書いたシートを手に会場内を歩き回っていただき、この会社とだったら面白いコラボレーションが生まれそう! と感じた企業どうしでグループを作っていただきました。そして、グループを組んだ企業と人材シェアリングのトライアル企画を実施するなら? という仮定で、取り組みの具体案を作成いただきました。

このパートから実際に活用できる制度が生まれれば最高ですし、自分ごととして制度設計をしてみることで、人材シェアリングのメリデメを解像度高く理解いただけるだろうと想定してのワークショップデザインでした。

素晴らしいコンセプトのトライアル案が完成!

今回は3グループに分かれてトライアル施策を検討いただいたのですが、事前に想像していた以上に具体的かつ目的意識をハッキリと持った施策案が練り込まれ、会場は大盛り上がりでした!

最終的には「営業力強化を目指す人材シェアリング」「人間力の向上を図る人材シェアリング」「成長戦略策定力の底上げを狙う人材シェアリング」と、それぞれにコンセプトの異なる人材シェアリング案をご発表いただきました。

営業力強化を目指す人材シェアリングについては、他社での営業を体験してみることで幅が広がる、自社の営業戦略・ツールを出向先でシェアする、持っている人脈から出向先の販路拡大を支援する、などかなり具体的なメリットが見込まれる制度設計で、会場は深い納得に包まれていました。

人間力の向上を図る人材シェアリングというコンセプトからは、高齢者の介護施設で新人研修や階層別研修を行うアイデアをご披露いただきました。受け入れ施設側では人手不足の緩和が、出向者には施設利用者との温度感の高いコミュニケーションを通じた自己変容が見込まれるという、双方にとってポジティブな制度設計でした。

成長戦略策定力の底上げを狙う人材シェアリングでは、コンサルタントの卵が提携企業に出向し、財務分析や成長戦略の設計を行なったり、それらが出向先の文化として根付くよう環境を整える業務を担うアイデアを共有いただきました。年次が若いコンサルタントには実践の機会、リアルな学びの機会が得られ、受け入れ企業では、成長戦略の設計思想や、具体的な作業手順を取り入れることができるという仕立てです。

どの案も、短時間で作られたとは思えないほどのクオリティで、これは実現できそう! 実際に試してみたい! という声がたくさん聞かれるフィナーレとなりました。

ワークショップは「まだここにない未来」を生み出す時間

今回のご依頼は私にとっても新しいテーマで、チャレンジングなワークショップだったのですが、ご参加くださった皆様の前向きなディスカッションのおかげで、本当にワクワクする可能性を見せていただくことができました。

来る人口減少社会に備えて、ここから何を、どれくらい試行することができるか。そしてどれだけ既存の慣習や考え方を手放すことができるかは、各企業の生存率に直結するだろうと感じます。

私は常々、ワークショップがそのための時間になればいいなと思っています。このワークショップがあったから、今の未来がある! と先々で喜んでいただけるような、パラダイムシフトに富む時間を、これからもたくさんご提供していければ嬉しいです。

ご依頼をいただいた株式会社プロジェクト地域活性様、ご参加くださった皆様、素晴らしい機会をありがとうございました!

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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