コロナウィルスの蔓延で、ワークショップを開催するには向かい風が吹き続けています。
でも、世の中が大きく動ている今だからこそ、組織の中で対話を深め、前へ進む力を生み出すことが重要です。
じっとWithコロナの暮らしに耐えてみたけど、ふと周りを見渡してみると、自分たちの組織だけ周囲の変化から大きく取り残されてしまっていた…。
なんてことが普通に起こりそうです。
そうならないために、今自分たちはどんなことを感じていて、どんな軸で進んで行きたいかを、丁寧に意思決定していく必要があると思うのです。
だから私は、こうした状況下でも良質な対話の機会を提供し続けたいと思っています。もちろん、感染予防の対策をしっかりした上でですが。
とはいえ不特定多数が参加するワークショップを開催するのは流石に躊躇われるので、もっぱら、日頃顔を合わせている職場の同僚どうしでの開催がメインになっています。初めましての参加者がホールにごった返す場も好きだけれど、部署のメンバーだけで小さく開く場も、繊細な味わい深さがあり面白いです。
毎日一緒にいるからこそ、言えない。
こうした矛盾めいた葛藤を抱える参加者が、勇気を振り絞って、一歩踏み込んだ発言をしてみる瞬間がたまらないのです。その一言を引き出せたら、ワークショップデザイナーとしての冥利に尽きます。
未来で手にしたいものを見つけるために
今回ご依頼をいただいたのは、Palletでお付き合いをさせていただいている菱光リフト東北株式会社様。「期初のキックオフを開催するので、社員それぞれが実現したい未来を明確にするワークショップを実施して欲しい」とオーダーをいただきましたので、 LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎の実施をご提案させていただきました。紙やポストイットから想像をするより、LEGO®︎の制作に没頭する方が、自分のやりたいことにダイレクトに出会えると感じたのです。
飽きられないようにしたい、と思ったこともLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎を選んだ理由の一つでした。有り難いことに、菱光リフト様にはこの2年間で5回ほどワークショップを提供させていただきました。そろそろ「相内さんのワークショップはもう刺激がないよね」と言われかねない回数です(笑)
飽きはワークショップの最大の敵。参加者が子どものように目を輝かせて取り組みたくなる場ほど、成果も大きくなります。その点、LEGO®︎は自然と参加者を夢中にしてくれます。LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎のファシリテーター資格を取得して本当に良かったと、こうした時に心から思います。
今回は、自分のやりたいことを発見して欲しいというオーダーに対して、以前実施した『個を活かし合う強い組織』を探究するワークショップを引用させていただきました。これは実現したい未来が分かっていない部下を抱えるマネジメント層をメインターゲットに実施したワークショップとして開発したものです。
自分自身が実現したい未来を発見するプロセスを体感することで、部下とのコミュニケーションをアップデートする狙いがありました。とても好評のワークショップだったので、きっとこちらの場でも機能するだろうと思ったのです。
心と心を繋ぐ「言えていなかった」気持ち
参加者の皆様には、①超ツマラナイ人生 ②エネルギーが湧いてくる毎日 ③これからの5年間で手にしたいもの という3作品を制作いただきました。これが大いに盛り上がりました!
過去の真っ暗な経験のシェアと、未来に求めるキラキラな時間のシェアとの対比は、とても胸に迫るものがありました。当たり前だけれど、みんなそれぞれに傷ついた過去があり、大小の辛い時間を過ごしてきています。そうした暗い出来事に、「今」という貴重な時間が汚染されないよう、皆あれこれ折り合いをつけて生きているのだということを、改めて考えさせられました。
相対する人の人間臭さに触れた時、私はよく、その人への愛着が増します。きっと他の参加者もそうだったのではないかと思います。普段は胸の奥に仕舞われていて、言い出せなかった気持ちほど、人と人の心をガッチリと繋ぐ接着剤になるからです。
ワークショップからの発見は「灯台」になる
この日のチェックアウトはとても充実した内容でした。キックオフで社長が語った方針に、それぞれがLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎での気づきを接続し、いくつもの線が繋がって、立体的な会話へと広がって行きました。
もし私がこの会社の社長だったら、自分の伝えたメッセージがしっかり社員の胸に残っていたこと、そして、それを受けてどう行動しようか各自が考え発表してくれたことを、とても嬉しく感じたと思います。もしかしたら泣いちゃうかも!
私は常々、ワークショップは灯台だと思っています。ワークショップで見つけたピュアな目標は、人を前へと突き動かすからです。菱光リフト東北株式会社の皆様にとって、この機会からの発見が灯台になれば、心から嬉しいなと思いました。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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