WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
仙台を拠点にワークショップの企画運営や
ファシリテーション、コーチングなど、
人が前進するための場作りを行っています!
今年は20年来の友人が保育園の園長になることが決まり
彼が掲げる
誰もが自分らしさに向き合える保育園
というビジョンの実現を目指して
連続10回の研修を引き受けています。
「のいえ保育園」の先生が
様々な「探究を重ねる」研修なので
NOIE QUESTと名付けました。
第5回目となる今日は
のいえ保育園の園児が安心して
自分の興味関心に没頭できることを意図して
「人が自分らしくいられる空間」とは?
を探究してきました。
人が最高のパフォーマンスを発揮するために必要な心理的安全性とは?
第5回NOIE QUESTのオープニングでは
Google社のプロジェクトアリストテレスを引用、
チームのメンバーが最大のパフォーマンス
を発揮するためには
心理的安全性を感じられていることが
重要であることを紹介しました。
Google社の研究なので
仕事上のチームが研究対象となってはいますが
私は、この心理的安全性こそが
日常のあらゆるシーンにおいても非常に重要で
個々人の持つその人らしさを解き放つ鍵
となると思っています。
その人らしさを解き放てる空間では
自分は何がやりたいのか
どんなことが心地よいのか
どのような自分でいたいのかなど
自分の内なる声に
自然と耳を傾けることができます。
「だれもが自分らしさに向き合える園」
を掲げるのいえ保育園だからこそ
心理的安全性(安心安全な場)
という言葉や概念を先生方が理解し
そうした空間を作ろうと
お互いが意図を重ねることが必要です。
そこで第5回のNOIE QUESTは
「コミュニケーションの背景」を探る
プログラムを作りました!
心理的安全性が高い空間には
その場に集っている人々が
「他者に対しての豊かな感受性」
を持っているという特徴があります。
他者の心の機微を察するためには
「言語領域以外のコミュニケーションに長けていること」がとても重要です。
そのためワークショップを通じて
「伝えたいのに伝わらない」
というもどかしい気持ちを味わい
「持っている背景が変わると相手に届く内容が変わる」
ということを体感してもらおうと考えました。
コンセプトワークから伝えたい!という気持ちを感じる
「伝えたいのに伝わらない・・・!」
という気持ちを味わうにはゲームがぴったり!
ただ、
私のレパートリーにはフィットしそうなゲームが無かったので
今回は自分で新しくゲームを作りました!
名付けて、ぴんくのだんごむしです!
これは最近クイズにハマっている
3歳の娘との会話から着想を得ました。
「く~いずくいずっ!ぴんくでまーるいもの、なーんだ?」
と聞かれたので
「さくらんぼ!」
と回答したら
「ぶーー、ぴんくのだんごむしでしたーーー!」
とドヤ顔されたのです。
と思ったのですが
この構造ってすごく面白い
ことに気づいたんです。
何かを伝えたい気持ちに対して
制約をかけたら盛り上がるんじゃないかな??
そうして出来上がったのがぴんくのだんごむし。
連想ゲームです。
参加者はチーム対抗で
引いたカードに書かれた名詞
たとえば「ライオン」や「新幹線」
といったものをメンバーに当ててもらいます。
時間内にたくさん当たったチームが勝ち!
もちろん直接その単語を言うのはNGです。
参加者には名詞カードと同時に
数字カードを引いてもらい
引いたカードに書かれていた数字の分だけ
名詞の特徴を言うことができる
というルールにしました。
例えば「ライオン」と
「3」というカードを引いたら、
「ネコ科、たてがみ、カタカナ!」
など3つの特徴を提示してOK!
今回はゲームの難易度を上げる意図で
「色だけ」
「形だけ」
「ジェスチャー」
「文字数だけ」
等の上級カードも利用しました。
これを実際にやっていただいたところ
会場は爆笑の連続でした(笑)
いや、ホント何それ!?
全然分からないから(笑)
も~~~、どうして伝わらないの~~~!?
4個も言えるなんて幸せーーーっ!
などなど、会場の熱量が一気に高まりました。
決して遊んでいたわけじゃないですよ?
伝えたいことがあるのに、伝わらない!
伝わらないって辛い!
という気持ちを味わってもらうワークです。
その証拠に、
「言葉で表現できることが少ない児童ってこんな気持ちだったんだ・・・!」
と園児の感情を疑似体験できたと共有してくれた参加者が現れました。
そう、それそれ!!
(盛り上がるだけで終わらず本当に良かった)
即興劇「一緒に帰ろう?」からコミュニケーションの背景を探る
次いでメインワークとして選んだ
即興劇に取り組んでいただきました。
え?劇?
と思った方も多いかもしれませんが
私はこの時間に
「他者への感受性を高める手がかり」
をつかんでいただきたいと思ったんです。
具体的には
コミュニケーションは
言葉だけで交わされているのではないと知ること。
同じセリフでも「背景」が変われば
話し方も、受け取る印象も全く変わる
ということを
体験を通じて感じていただきたいと考えました。
頭で考えても意味が無い領域だからです。
こうした狙いを達成するには
渡された台本を読み合う形式のワークがフィットするだろう!
そう閃き
①どんな会話の読み合わせから入ると参加者が取組みやすくて
②どのような感情を、どの程度の濃さで味わってもらうと次へのつながりが良くて
③そこにどんな背景を追加すると「同じ会話なのになんでこんなに違うの・・?」と驚いてもらえるか
を考えました。
色々なシチュエーションを想像するうち
噛み合わないのがイライラする
相手につられて自分の意欲がどんどん下がる
という気持ちや感覚を持ってもらえる台本だったら機能するはずだ!
という結論に至り
「一緒に帰ろう?」という台本を書きあげました。
「一緒に帰ろう?」
は夫と妻のちょっとした会話で
時間にしたら僅か2~3分のやりとりなのですが
ところどころ噛み合わないと言うか
お互いに丁寧さに欠けるというか
「なんで伝わらないの!?」
が詰まっています。
これを参加者に渡した瞬間
「え?この会話ムカつく」
という素直な声が上がりました。
よしよし。
まず参加者にはペアになってもらって
台本を素読みしていただきました。
そのうえで、
どのあたりが噛み合っていないのか
なぜイライラするのか
を話し合っていただいたのですが
辛辣な意見が次々と飛び出し
実は私の実体験を元に編集した台本なんだとは
とても言い出しにくい空気になりました(笑)
(ワークとしては最高の展開でした)
ここからがこのワークの醍醐味です。
夫役の方だけを違う部屋に呼んで
1つの「背景」を追加
させていただきました。
そして、
この背景を伝えようと演じるのではなく、
「ただこの背景を持って」
再び台本を読むことをお願いしました。
-追加背景-
夫はガンで余命3ヶ月の宣告を受けている。
妻も知っている。
もしかしたら、
これが妻と最後のドライブかもしれない。
できる限り、
妻と過ごす時間をたくさん作りたい。
そして妻には、
自分が逝った後も幸せに暮らして行って欲しい。
15年間ありがとう。
これらは妻役の方には全て秘密です。
背景が追加されたということも知りません。
その状態で、もう一度、
同じ台本を読み合っていただいたのです。
そうすると。
各所でコミュニケーションの質
が全く変わっている
様子が見て取れました。
一回目は会話が進むにつれて
ケンカ腰になっていくチームばかりで
会話の速度はどんどん上がって行ったのですが
今回の会話では
相手のことを感じ合う
ゆったりとした間が生まれていました。
読み合わせ後は、妻役の人から
優しさや暖かさを感じた
という感想が共有されました。
前回と同じセリフなのに!
参加者の感性を見るに
もうひとつ違う背景を持たせても機能する
と思ったので
ここで夫役の人には
更に別の背景を共有させていただきました。
-追加背景2-
ついさっき、
勤めている会社が今月で倒産することを告げられた。
現在の貯金は14万円。
妻と娘2人でギリギリの暮らしを送ってきた。
それなのに収入が無くなるなんて。
失業手当は出るのか?でもどれくらい?
来月から働く場所も決まっていない。
頭が真っ白で、うまく考えられない。
そして3回目の読み合わせをしたのですが
ダイレクトに「焦りを感じた」と
共有してくれたペアもあれば
「何も感じなかった」
と夫が真っ白になっている状態をつかんだペアもあり
皆さんのセンスに脱帽でした・・!
言葉は変わらないのに
背景が変わると
コミュニケーションの質が変わる。
このことを本当に良く感じ合っていただき
ほっとしました。
このワークは
実はワークショップデザイナーとしては
すごく不安な時間でした。
え?一回目と何が違うの?
全く何も違わないと思うんですけど・・・!
と参加者に言われたら
取り返しがつかないからです。
そのため本当にギリギリまで
もっと安全に狙いを達成できるワーク
が無いかを検討したのですが
「一緒に帰ろう?」が最も有効だろうと感じ
実施に踏み切りました。
2ヶ月間に渡って付き合ってきたからこそ
参加者を信じ切ってワークを進行することができたのが大きなポイントでした。
自分らしくいられる空間にあるもの、ないもの
午後は第3回のNOIE QUESTで宿題にしていた
自分らしくいられる空間とは?
を探究しました。
自分らしくいられる空間にあるもの
自分らしくいられる空間にないもの
を表に書き出すことで
どうやったら自分らしくいられる空間
を創り続けることができるか
感覚をつかむのが狙いです。
空間には必ず質があって
それは意図を持って整えることができます。
その再現精度を高めるには
意図する質の空間には何があって
何が無いかを意識しておくことが重要です。
これまでに受けて来た研修だったら
ここまで深く物事を掘り下げて考えることなんかなかった・・!
と、参加者がぽろっとつぶやいた一言がとても印象的でした。
この時間は
参加してくださった方々それぞれが
過去に自分が所属していた組織
そしてそこで自分や
周囲の人がどう振る舞っていたかを
かなり真正面から向き合いながら
ワークに取り組んでくれました。
中には悔しい思いを感じた方もいたでしょうし
懺悔の気持ちが湧いてきた方もいたようです。
いずれにしても
過去の自分の行いを見つめて
未来に向けて違いを創って行きたい
と思えたことは
本当に大きなシフトです。
そうした気持ちを素直に吐露でき
チームの仲間と共有し合える
NOIE QUESTで本当に良かったなと思いました。
きっとこのワークは
保育園の運営だけでなく
人生そのものに
違いを創る時間になったと思います。
参加者の感想
Aさん
チーム力が高い組織には何が必要だと思う?
と聞かれてぱっと思いついたのは、
「コミュニケーションがよくとれていること」と「発言が多いこと」だった。
その後、機能しているチームだけに見られる特徴として、
「発言の機会が平等」
「他者への感受性が豊か」
「心理的安全性→どんな行動をとっても安全だと感じる」があると聞き、
はじめに自分が思ったこととそう遠くはないかなと思った。
「一緒に帰ろう」を実際にやってみた時は、
セリフが書いてある紙をさらっとみただけでも、
お互い機嫌が良い状態とは思えなかった。
でもすごく「あるある」な会話で、
中身は違ったとしても家族や友人、
恋人同士でもありえるシチュエーション+会話だなと感じた。
1回目はもちろんお互い徐々にけんかっぽくなった。
2回目には夫側だけに背景を伝えられ、
自分の中でもその少しの背景があるだけで読み方が変わったし、
パートナーにも「なんか優しかった」と伝わってた。
3回目ではまた別な背景で同じ文を読んだが、
これも「焦ってたね」と伝わっていた。
お互いに「伝わってほしい」という気持ちと、
「相手は何を思っているのだろう」という気持ちが揃うと、
それぞれの言いたいことや想いが伝わりやすくなるのかもしれない。
日常会話でも、自分の言い方ひとつで相手の機嫌を損ねることはとても簡単で、
よくやってしまいそうだけれど、それと同時に、
少し言い方や声色を変えるだけで相手に不快な思いをさせずに、
自分の言葉を伝えることだってできる。
そう考えると一番最初に考えていた
「コミュニケーションがとれていること」
「発言が多いこと」よりも
「コミュニケーションの質」や「発言の背景」を気に掛けられることが大事なのかな、と感じた。
本当は会話をしながら「この人は本意でこんなことを言っているわけではない」
とわかっていても言葉の何かがひっかかって自分も嫌な言い方や態度をしてしまったり、
普段の何気ない生活の中で、
いつもなら変わらないトーン・テンションで応えられる言葉や行動も、
自分の機嫌で返し方が変わってしまったり。
わかっているのに「わざわざ」そんな面倒くさい自分をつくっていたな、
と振り返るきっかけとなった。
社会人になってからそこまで後輩がいなかったからか、
指導する立場になったことはなかったが、
前の職場で若手を指導していた方々には、
ぜひこのワークショップを経験してほしい、、、と思った。
本人たちはいじめているつもりもないのだろうけれど、
「なんでこんなことするんだろう、言うんだろう」という状況はたくさんあったし、
女性はとくにそうなりやすいのかもしれないと諦めていた。
でも、
自分が誰かを指導したり先輩の立場になったとき、
優しくなれたり、助けてあげられたり、
このワークショップを思い出して応えられたらいいなと思った。
また、「自分らしくいられた空間にあったもの」「なかったもの」をみんなでシェアしていく中で、
今まで「あー今自分らしく生きているな!」と感じることは多くなかったなと思った。
むしろ、「窮屈だな」「やりづらいな」と思うことの方が多かったな、とすぐに感じた。
のいえ保育園に入るまでは、映画やドラマ以外で涙を流す機会なんてなかったし、
悔しくても痛くてもつらくても、
涙を流したり、止まらなくなるほど泣いたりすることもなかった。
ですが今では、メンバーの涙を見ただけでうるうるくる程です。
本当にここ数か月で変わってきているんだな、と思った。
今が一番自分らしいと言えるかも。
Bさん
朝から結構な距離を歩いて臨んだ今日のワークショップ。
集会所の独特な臭いもあった中ではあったけれど、
不思議と「今日も楽しいんだろうな~。」
「色々な感情が生まれるんだろうな~。」と、ふわふわ楽しい感覚だった。
始まりの『ぴんくのだんごむし』では、
言葉の制限はもちろん、
決められたヒントしか出せなかったり、
言葉以外の伝え方がいかに難しいのかを体感したと共に、
とても楽しくウォーミングアップができた。
『一緒に帰ろう?』では、
夫役をやってみて、その時々の背景の質の違いで、
こんなにも話す速度や声色、
間の取り方などに自然に違いが生まれるんだな、
感情も勝手に入ってきてしまうんだなと感じた。
それを受ける、妻役をしてくれた人も、
3回演じた中での話し方や声色、
雰囲気の違いなどを感じてくれていて、
同じ文章を3回繰り返し読み合わせただけなのにそんなに気づきがあるんだなと思ったし、
自分も妻役をやって、違いを感じられるかを体験してみたかったと思った。
午後の『自分らしくいられる空間にあるもの・ないもの』では、
意外と自分らしくいられる空間にあるもののほうが出しやすい感覚があった。
共通する事や共感できる事も多々あり、
違っていても素直に「そうなんだぁ~」と受け止められたり、
どうして?と疑問に思って背景を聞いたりしていくことで、
相手のことはもちろん、自分自身のこともたくさん知れた。
自分らしさが少し見えて来た感覚です。
私はこういう時って楽しいんだ!安心できるんだ!
こんなことがあった時って暗いんだ、
嫌だな抵抗あるなって思ってるんだ。
など、今までは見て見ぬふりをしてしまっていた自分に丁寧に向き合えた気がするし、
これからも丁寧に向き合っていけると思えました。
Cさん
今回のNOIE QUESTでは、
コミュニケーションや心理的安全性について学び、体験することができた。
今まで様々な場所でコミュニケーションが大切、必要などと言う場面が多くあったが、
いざ考えてみるとコミュニケーションとはなんだろう?という疑問が湧いてきた。
ただ会話をすること?積極的に関わること?
などと考えてみても答えを見つけることができなかった。
でも今回の研修で、コミュニケーションの背景を考えることを実際に体験したことで、
少しではあるが理解が深まったように感じた。
言葉だけでは相手の心理が分からないこともあれば、
言葉の奥に感じ取れる背景もあったり…、とても奥深いと思った。
言い方ひとつで相手の捉え方も違うし、感じることも違う反面、
受け取り側も相手はどういった状況にあるのかなどを考えて接すると、
相手の見え方も変わるし関わり方も変わってくる。
私は、人と関わるときに、
その人の背景まで考えて関わることができるようになりたいと思った。
勝手に、この人はこういうところがあるからと、
自分から一線を引いている所があったり、
相手の背景を考えようとしてこなかったかなと思う。
そういったところが変われば、人とのかかわり方も変わるし、
自分も生きやすい人生に繋がるのかなと感じた。
相手を受け取る、背景を考えることを今後の生活に取り入れていきたい。
自分らしくいられる空間、いられない空間では、
色々な意見をきけたことと、自分の気持ちを整理することができた時間だった。
自分も相手も過ごしやすい環境づくりをこれからしていきたい。
そのためにも、相手を受け取る訓練をしていきたいと思う。
「ぴんくのだんごむし」では、思いが伝わらなかった時のもどかしさ感じる反面、
伝わったときの喜びがあった。とても楽しかった。
毎回の研修で、今まで触れてこようとしなかった自分自身について考えることが多く、
嫌だな…と思うこともあるけど、研修が終わった後は、楽しかったと思える時、
もっと学びたいと感じる時、そうだったのかと感心する時、色々な感情が出てきています。
そして、後悔や反省をすることもたくさんあり…迷走していましたが、
少しずつですが光が見えそうです。
ありがとうございました!
Dさん
これまでの研修や前回のネイチャーゲームの経験を経て、
つい先日、娘の探求心を止めずにいられるようになったエピソードを振り返り、
自分の行動の変化を感じながら研修が始まった。
「ぴんくのだんごむし」では、
決まった条件で相手に伝えることの難しさ、もどかしさを感じたが、楽しく取り組めた。
「一緒に帰ろう?」のロープレは、
1回目に声に出して読んだときはちょっとイラっとする会話だと感じたが、
2回目、3回目と夫役の情景が変わり、
そうした相手に合わせて話し方を変えると、
相手への伝え方もこんなに変わるのだと感じた。
相手の思いや考えを話し方で理解することは、
自分自身の心の余裕や受け入れたいと思える姿勢があればこそ出来ることだと気づかされた。
これが“コミュニケーション”なのだから、
仕事だけでなく私生活で実践することで、
お互いの気持ちに余裕が生まれるのだろうと感じた。
「自分らしくいられる空間にあるもの、ないもの」を考えると、
これまでの良かった経験や、苦い経験が思い出され、
大事にしていること、自分らしさを考えることに繋がった。
今週のとびだす保育園を含め、今回の宿題を実践して、色々なことに気付けるよう心掛けたい。
Eさん
今回のワークショックは「ぴんくのだんごむし」から始まり、
自分では伝えたいことがあるのに、
制限がかかることでうまく伝わらなかったり、
そのもやもやを乗り越えてすっきりする場面があったり、楽しい体験となった。
まさに1歳児や2歳児は、
自我がしっかりしてきたのに言葉にできなかったり、
単語のレパートリーが少ないことでうまく伝えられないという場面に多く遭遇してきたが、
その子たちの気持ちって、もしかしたらこんな感覚なのかもしれないと感じた。
また、自分自身でも大人になってから、
自分の発言の意図に対して、
相手の受け止め方が違うなあと感じた体験もたくさんあったため、
きっとこんな風にすれ違っていたんだなと疑似体験が出来てよかった。
「一緒に帰ろう?」では相手の言い方次第で、自分の受け取り方も全く違く、
自分の返答の仕方も変わってしまうことに自分でも驚いた。
また、相手の話し方で相手がどんなことを思っているのかや、
相手はどんな状況にいるのか等、
詳しいことまでは分からないものの、
今ちょっとイライラしてるかも?とか、
私に寄り添おうとしてくれてるかも?とか、
何となく感覚が伝わってきて、
自分も普段意識しなくても声や表情、話し方などに、
その時の自分が出ているのかなと思った。
「自分らしくいられた空間にあったもの、なかったもの」を考えていくワークでは、
今まで(特に職場では)自分はどれだけ自分らしくいることを諦め、
また周りにも自分らしさを求めていなかったかを知る機会となった。
新人は失敗して学ぶものと言って入職から教えられてきましたが、
保育は正解はないはずなのにその空間には初めから答えがあり、
そこから少しでもズレそうになると修正されるという環境だった。
自分もそうしないといけないんだと思うと同時に、
自分のやりやすい保育というものを見つけてしまったため、
新人の子をそっちに寄せてしまっていたということに気づき、
失敗の以前に自分の保育をやらせてないし、
もし失敗したら最後は自分につけが回ってきてしまうから、
なんでもやってしまう自分でやってしまおうという気持ちが先行し、
人を認めてあげられる環境にいなかった。
人数も多かったから毎日いっぱいいっぱいになっている中で、
時間にも心にも余裕が無く、
子どもの姿を見るよりも正解を探している自分がいた。
毎日楽しい気持ちより辛い気持ちの方が多かったし、
新人の子たちもきっと私の顔色ばかりを見ていて辛かっただろうなと気づき、
途中で胸が苦しくなってしまった。
もっとああすればよかったと思えたことがたくさんあるし、
その分後悔もたくさんあるけれど、
そうせざるを得なかった環境もあった。
だからこそ、
これをただの後悔で終わらせず、今後の経験や保育にしっかりと繋げ、
だれもが自分らしくいられる環境を作って行きたいと改めて思ったワークショップになった。
NOIE QUESTは続きます。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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