「ワークショップデザイナー」が職業として認知される世界を作りたい

WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。今日は冒頭にちょっと毒を吐きます。

先日とある催事に参加したのですが、その時のファシリテーターがとてもクセの強い方で、バリバリの体育会系。けっこうな圧力で持論を押し付けてくるので辟易しちゃいました。落とし所へ持っていきたい気持ちは痛いほどよく分かりますが、もう少しスマートにリードしていただきたいものです。

特徴的だったのが、語尾が必ず「〜ですよねぇ?」「だと思いませんか〜?」と疑問形で話しかけてくること。ちょっと詐欺師っぽい口ぶりで、私、この方のお話はもう聞き流そうと心のシャッターを全速力で降ろしました。

よくいるんです、こうして「問いかけ」の形式で意見を押し付けてくる方が。

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問いかけの裏には自分の主張が…

こうした方々が使う「だと思いませんか〜?」という問いかけの裏には、「〜だからね、分かるよね」という主張が隠されています。主張を真っ直ぐに投げると豪速球になりすぎるので、問いかけの形にして薄めようとしているんですよね。実際はぜんぜん薄まっていないし、参加者にもバレバレなんですけれど。

こういう相手を操作する質のファシリテーションは、ワークショップの場から無くなればいいなって私は常々思っています。参加者の主体的な判断を尊重してこそのワークショップ。意見の押し付けは不要です。そもそもワークショップとは何か? をしっかり理解していたら、意見を押し付けようなんて思わないと思うんですけれどね。この点を履き違えて、豪腕スタイルで参加者をぶん回すのはダメです。

また、自信がない方、駆け出しの方などもこうした語尾になりがちなので要注意です。こちらの場合は、自信がなくてフラットに伝える、言い切るということができない状態。

ワークショップデザイナーにも学びが必要

以前に「ワークショップが嫌い」な方へワークショップを行う時のお作法という記事を書きましたが、「ワークショップが嫌いです」という方の多くが、過去に無理やりワークショップをさせられた経験をお持ちです。これってすごくもったいないことだと思っています。ファシリテーターや運営側がきちんとしていれば防げた損失だからです。

たとえばカウンセリングやコーチングなど、人の心を専門的に扱う方は、相応の知識とトレーニングが必要ですよね。いきなり何も学ばずにカウンセリングを提供しようと思う人はごく少数だと思いますし、そうした人に依頼をする方もまた少数です。

でもワークショップデザイナーやファシリテーターはどうでしょう。同じく人の心を専門的に扱う職業であるにも関わらず、事前に勉強しよう、トレーニングを積もうという方にはお会いしたことがありません。

ワークショップデザイナーやファシリテーターになるための敷居が過度に高くなってしまうことは本意ではありませんが、私はワークショップデザイナーを志す人々が、丁寧に場作りを学ぶ未来が訪れたらいいなあと思っています。

ワークショップの市場拡大に貢献したい

こうしたことが起こっていない背景の一つは、ワークショップの市場が未成熟であるこが挙げられると思います。これを象徴するのが職業の選択肢です。何らかのサイトに自分の情報を登録する際、職業を選択するプルダウンが用意されていることが多いですが、私はいつも「その他」を選ぶことになるんです。なぜなら、ワークショップデザイナーという職業が選択肢の中に無いから…。

つまり、ワークショップデザイナーって、まだ世の中から職業として全然認知されていないんです。私もよく「それで食べていけるのですか…?」と驚かれます。

ですが、きちんと市場が拡大して、世の中からの認知が増し、ワークショップを学ぶことによって得られる経済的リターンや機会の増大が明確になっていれば、カウンセリングやコーチングなどのように、まずはスクールに通うという選択肢がメジャーになっておかしくありません。

だから私は、自分が生きている間にワークショップデザイナーという職業欄が増えることを夢見ています。つまり、ワークショップの市場拡大に貢献できたら嬉しいのですよね。何ができるか分かりませんが、ひとつひとつ積み重ねていきたいと思います。

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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