“自分なくしの旅” だった100回のワークショップ
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ワークショップデザイナーの相内です。ぼくは2018年の5月にフリーランスとして独立し、ワークショップを開催し続けてきました。そして2年4ヶ月が過ぎた2020年の9月に、独立してから100回目となるワークショップが完了しました! プロとしての経験が2桁と3桁では、大きな差があります。大台に到達した達成感が次々と湧いてくる一方で、やけに冷静な自分もいました。

 

この100回という回数は自分にとってどんな価値があったのか? 頭の中には、こんな問いが生まれていました。

 

自問自答をするうち、最もしっくりと腹落ちしたのが、この100回は自分なくしの旅だったんだ! という気づきでした。なんでもやれる可能性があるフリーランスという立場から、どんどん余分を削ぎ落とし、最終的に残ったものが自分の輪郭になったなぁ。そんなふうに感じたんです。

 

せっかくなのでこの気づきを土台に、独立してから2年4ヶ月の歩みを記しておこうと思います。フリーランスの1つの事例として、これから独立をしようとされている方の背中を押せたら、あるいは既に独立し孤独な夜を過ごされている方の葛藤に寄り添えたら幸いです。

自分なくしの旅の始まり

「でも、そう簡単にうまくいくわけないだろう?」

 

2017年の春だったか、夏だったか、ぼくは狭い会議室で上司に退職の意向を伝えました。辞めて何をするのか問われて、フリーランスになると伝えた時に返ってきたのがこの言葉でした。

 

会話の最初は「頑張れよ」というメッセージが多かったのですが、話しが進むにつれて、「やっぱり現実的には……、なあ?」というトーンへと変わっていったのが印象的でした。それらはぼくに向けられた言葉というより、挑戦したくてもできない上司自身の気持ちを抑えるために、敢えてそう口にして自分を納得させようとしているように聞こえました。

 

自分自身の可能性を閉ざしている姿勢と、それをぼく自身に投げかけてくるセンスになんだか腹が立って、「うまくいったらご馳走しますね。楽しみにしててください♪」と伝え話しを終えました。

 

うまくいくかどうかは、やってみないと分からないのにな。一歩踏み出してみて感じたこと、経験したことは、大きな財産になるのにな。そうしたら、ひとまわりも、ふたまわりも成長した自分に出会えるのにな。

 

ぼくは大してメンタルが強いわけではないのですが、未来の可能性を否定されると「今に見てろ! 絶対にあっと言わせてやるからな!」と強制的に戦闘スイッチが入るようプログラミングされているみたいで、この時もそうでした。

 

可能性を閉ざしている全ての人の目が覚めるくらい、華々しい活躍をしてやろう。

 

そう意気込んだ、同じような姿形のビルしか見えない小さな会議室が、ぼくの自分なくしの旅の始まりでした。

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職業「ワークショップデザイナー」

「え? こんなアッサリ終わるの?」

 

緊張しながら赴いた税務署で開業届を提出したぼくは、書類が驚くほど簡単に受理されたことにビックリしました。職業の欄には「ワークショップデザイナー」と記入していたので、それってなんですか? と確認されるのではないかと思っていたのです。それが予想外なほど何のやりとりもないまま事務的に受理されて、簡単すぎる手続きにめちゃくちゃ拍子抜けしたのでした。2018年の5月のことでした。

 

職業にワークショップデザイナーと書いたのは、この当時からワークショップを究めようと思っていたからではなく、自分を形容する適当な言葉が他に見つからなかったからです。実際、独立直後はワークショップの仕事はほとんどなく、様々なプログラムの進行管理や制度設計などの、プロマネ業務が大半を占めていました。

 

いつか白馬の王子様が現れるわんだわ♡ と夢想している少女のように、好きなワークショップを数多く実施できたらいいなあとぼんやり考えていたのがこの頃です。でもまずは目の前の生活を安定させるための基盤を作らなければと躍起になっていたことを覚えています。

興奮から冷めて

独立してからの毎日は、遠足前の子どものように興奮しっぱなしでした。新しい仕事、新しい働き方が、とても楽しく新鮮だったのです。同時に、フリーランスとして生きていけるんだろうかという不安もあったので、とにかくガムシャラに毎日を過ごしていました。

 

そんな興奮が一気に冷めたのが、独立してから1ヶ月半後くらいのことでした。いくつかの業務が重なり忙しない日々を過ごしていた合間に、ふと、この仕事は本当に自分がやりたいことだったのだろうか? という疑問が湧いてきたんです。当時は複数社から日報の作成と勤怠管理を依頼されていたため、月末の業務報告が重たく、フリーランスなのに会社員みたいだったんですよね。ぼくが思い描いていたフリーランスって、スナフキンのように自由気ままな存在だったんだけれど……。

 

もっとワークショップの仕事がしたいなあ。自分がメインの活動を展開したいなあ。

 

と思わずにはいられませんでした。でも独立時のぼくは、ワークショップは学生相手にしか提供していませんでした。学生向けのワークショップは実施できる機会が限定されているうえに、単価も高くありません。妻と3歳の娘、ポメラニアンの家族がしっかり食べて行けるよう稼ぐためには、ワークショップだけを考え生きるのは現実的ではないと思いました。ちょうどこの頃、お金が無くなって絶望する夢に頻繁うなされ、夜中にハッと目を覚ましては震える日々が続いてたことも、こうした気持ちに拍車をかけました。(今の自分から見ると、当時のぼくは本当に肝が小さい笑)

 

でもワークショップはやりたい。じゃあどうする? ぐるぐる悩む日々が続きました。

友人たちからの「天の声」

転機が訪れたのは2018年の7月。高校時代からの友人に時間をもらい、フリーランスの会計処理について教えてもらっていた時のことでした。友人が不意に脈絡なく「そういえばワークショップって大人向けにやらないの?」とぼくに質問を投げかけてきたのです。青天の霹靂とはまさにこのことで、雷に撃たれたかのような衝撃を感じました。大人向けにワークショップを開催するという発想は、ぼくの中に1mmもなかったんです……。なぜなら、ほとんどやったことがなかったから!!

 

そのことを告げると、友人は嬉々として「絶対やった方がいいよ! 相内のワークショップだったら間違いなく需要あるって!」と前のめりに語り出しました。その姿はとても自信たっぷりに見えましたが、この友人、ぼくのワークショップを見たこともなければ、もちろん参加したこともありませんでした。それどころかワークショップそのものを体験したこともなかった!!(笑)

 

それなのに何でそう思うの? との問いかけに、「だってそう思うから」という幼児みたいな答えが返ってきたのは本当に衝撃でした。街角に佇む占い師ですら、ここまで根拠のないPushはしてこないと思います(笑)

 

でもなんだか不思議と友人の言葉を信じてみたくなって、ぼくは本気でワークショップを生活の中心に据えることを決意しました。

 

翌日にすぐこのHPを立ち上げ、余暇の時間は全て記事執筆につぎ込む生活が始まりました。ワークショップの依頼をいただくには、この人なら任せても大丈夫だろう、と思っていただける情報を公開しないと! と思ったのです。

 

初めてのHP制作や、HPの構成を考え記事を執筆するのはとても楽しく、地味な作業も含めてすごくハマりました! ちょうど仕事が落ち着いてとても暇なタイミングだったので、没頭できる作業があって救われました。暇なときほど悪い考えが頭によぎって、鬱々と考え込んでしまいがちなので……。

 

この流れに呼応するかのように、以前から一緒に仕事をしてきた友人から(株)フューチャーセッションズを紹介してもらいました。フューチャーセッションズは、社会や組織の様々な問題や課題に対して、多様な人々を招き入れた共創的な対話の場――「Future Session」を提供することを通じて、新たなイノベーションを生み出すお手伝いをしている会社です。

 

東北拠点の立ち上げを検討しているため現地パートナーを探しているとのことで、トントンと話しが進み、委託契約を結ばせていただく運びになりました! 大人向けにワークショップを実施できる機会と、毎月の収入UPを一挙に手にすることができ、精神衛生上ほんとうに有り難かったオファーでした。

 

精神衛生と言えば、ちょうどこの頃から自分の気持ちを整理するために、日々の徒然を書き留めて置くようになりました。

当時のメモ

・妻に「もうそんな悩んでるの? 心よわっ(笑)」って笑われた。いや、笑ってもらった。笑ってもらって、むしろ心地よかった。

・いくらお金をいただいても、やりたくない仕事は身を滅ぼすと思った。イライラが他の仕事にも伝染して、全てに悪影響になっちゃう。

・「人手が足りないからやってくれない?」という仕事もよくない。「あなただからお願いしたいんです!」という依頼から選ぼう。

・やりたいと思えていることがあるだけで心が落ち着く。

成果が出ない作業への絶望

こうしてワークショップを自分の中心に据えることを決意し、毎日毎晩、このHPでブログ記事を書き続けました。ぼくは2017年にアメブロを開設し、一年間に渡ってブログを書いて来ていたので、そう簡単にPV数が上がったり、依頼が生まれるわけはないということをよく理解していました。

 

ところが、そんな自分が想像していた以上に、どれだけ記事を書いても全くPV数が伸びません。砂場に池を作ろうと頑張る幼児のように、何をやっても無駄になっている感が半端なく、落ち込みました。

 

朝起きてGoogleアナリティクスを開いては落ち込み、負けじと記事を書くものの、力作を誰にも読まれなという現実からは、自分がこの世の中において無価値だと突きつけられているようで辛かったです。また、躍起になりすぎて家の中のことが疎かになり、この当時は独立してから最も家族関係が悪化しました……。大いに反省です……。

 

そんなぼくの落ち着く居場所になったのが、ななえもんというTwitterでたまたま見かけたブロガーが開設していたアホサロ(オンラインサロン)です。

 

行動力アホが集まって、みんなで勢いをつけよう! というコンセプトがすごく気に入って、すぐに入会を希望しました。胡散臭いと思って敬遠していたオンラインサロンに自分が入ることになるなんて想像もしていなかったのですが、毎日みんなで作業報告をしたり、Tipsをシェアしあったり、お互いの夢を応援しあったり、ぼくにとっては砂漠の中で見つけたオアシスのような空間でした! 一人で作業を続ける孤独感から解放されたのは、とても有り難かったなあ。フリーランスは、仲間と思える人と一緒にいられる空間があるかないかで、心の穏やかさが大きく変わると感じました。

 

この頃はブログのPVアップを意図してTwitterを伸ばそうと思い、毎日30ツイートを自分に課してたんですけど、さっぱり伸びないし、書くことないしで、1ヶ月くらいで飽きちゃいました。これから独立を検討する人は、先にSNSアカウントの強化やHPの作成を済ませておくと良いと思います。少なくとも、今のぼくだったらそうします。

当時のメモ

・この吐きそうなプレッシャーも、いま直面している自分の小ささも、全てはハッピーエンドを味わうためだと信じる。

・ワークショップを開催して評価にさらされたり、時には失敗してショックを受ける方が、お金と仕事が無くて苦しい思いを感じ続けるよりよほどマシ。だからぼくに早くワークショップの仕事をください。

・郵送物を詰める作業に1時間も費やしてしまった。こんなことばっかりしてたら人生があっという間に終わる……。

自分を引っ張り上げるコミットメント

たくさんワークショップを実施したいなあと夢見た独立1年目は、10数回程度のワークショップ実施で閉幕しました。年末にかけて連続3回のワークショップを開催する機会をいただき、回数は満足ではなかったものの、一年の締め括りとしてはとてもいい流れで嬉しかったことを覚えています。

 

2019年はもっとワークショップの道に生きたい! そう思ったぼくは、年始にFacebookで「今年は40回ワークショップを実する!」と宣言しました。前年の4倍は無謀だろうと思わなかったわけではないのですが、状況を劇的に変えるには、高い目標にコミットして、本気なんだということを世に知ってもらうのが一番だと思ったのです。

 

しかし、最初はなかなか思うように依頼は増えませんでした。2019年3月末の時点で、実施回数は5回程度……。この達成率、リクルート時代だったら激詰めされていたと思います(笑)

 

でも不思議と焦りはありませんでした。世の中に向けて「ワークショップデザイナーとして真剣に生きる。そのために40回実施する」と宣言したのがほんの2ヶ月前ですから、ぼくの意図が世の中から認知されるまで、数ヶ月のタイムラグはあって当然と思っていました。また、委託を受けていたいくつかの業務が3月末で完了だったので、それなりにやらなければならないことがあり、時間が空く4月以降に向けてしっかり体制を整える時期だと割り切っていました。

連続10回の保育士研修 NOIE QUEST!

そうして迎えた2019年の4月。待望の案件が舞い込みました。

 

半年で10回のワークショップを行う、保育士研修 (NOIE QUEST) の開催が決まったのです。この取り組みは、ワークショップデザイナーとしてのぼくを別次元へと連れて行ってくれた、出世作と形容すべき機会になりました。

 

ワークショップのストック連続10回分もありませんでしたので、後半の6回は全てオリジナルのワークを開発しました。中でも「ぴんくのだんごむし」というゲームは参加者に大ヒット! 単独のワークショップとしてスピンオフしたことに加えて、カードの商品化まで実現しました!

 

本当に惜しみなく全勢力を注ぎ込んだこませていただいたことで、たくさんの貴重な経験が残り、大きな財産になりました。ほぼ2週間に1回のペースでワークショップを設計しなければならなかったことも、自分の能力を圧倒的に高めてくれたなあと思います。

 

また、NOIE QUESTをきっかけに、周囲から「連続ワークショップ研修やってるんだよね! すごいね!」「今度どんなことを実施したのか教えてよ!」などと声がけをしてもらえることが増え、ワークショップのプロとしての認知が拡大するきっかけにもなりました。初対面の方に「あのNOIE QUESTの人ですか!?」と驚かれたこともあったくらいです。

 

最終的に、NOIE QUESTは全10回で、542枚の投影資料、30個超のワーク数、時間にして50時間弱を費やした超大作となりました! 参加してくださった方々のパラダイムが次々とシフトしていく様子はとても楽しく、ワークショップデザイナー冥利に尽きる時間でした。

点と点を線でつなぐアートの結果 ブレストの結果を振り返る どこに額縁を置こう~!

青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム 31期 & LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎

「ワークショップって、知らない人に発注するっけ??」

 

ワークショップデザイナーとしての地位を確立しようと躍起になっていた2019年のある日、ぼくは友人から言われた何気ない一言にハッとしました。薄々気づいていましたが、自分だったら知らない人にワークショップを発注することはないだろうと確信したからです(笑)

 

知らない人にワークショップを発注したくないという気持ちの根底には、ワークショップは毎回どのようなことが起こるのか想像ができず、従って成果が一定ではなく、意図する結果を得られるかどうかが予測できないという一点に尽きると思います。

 

そのため、どうしたら「この人に任せたい!」と思ってもらえる確からしさを感じていただけるだろうかと考えた時に、思いついた答えが「ブランド」「肩書き」「経験」「資格」でした。

 

その観点から自分をバージョンアップさせてくれそうな講座を探し、2019年の4~8月に青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム(以下WSD)を、11月にLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎ 認定ファシリテーター養成プログラムを受講しました!

 

WSDには、既にワークショップをやっている人、これからやりたい人、様々な同期がいましたが、いずれにしてもワークショップが大好きな人ばっかりで、ワークショップデザイナーにとっての梁山泊のようでした。毎月複数回東京へ出てプログラムを受講するのは、体力的にも金銭的にも辛い部分がありましたが……、講座後にみんなで向かう「なかにし」という居酒屋での大宴会が本当に楽しく、たくさんの仲間ができました! 今はここで出会った10数名の仲間と、ワークショップを通じて世の中に貢献するNPOの立ち上げを進めています。

 

LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎はメソッドの完成度が非常に高い上に、紙とポストイットでは決して呼び起こせない領域の知識や感性を存分に開放してくれることを心の底から体感し、その反則級の効果にただただ驚かされました! ぼくは直近の企業研修では必ずファーストチョイスにLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎を検討するほど、LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎のパワーに惚れ込んでいます。

 

余談ですが、この講座は本当に大人気で、募集開始からわずか数分で満席になってしまうんです。だから、募集開始と同時に超高速でフォームに入力しないと参加権利を得られません。もし受講を検討されている方は、ご自分の住所や電話番号などの基礎情報はメモなどに貼り付けておいて、出来るだけコピペで素早く入力し切ってしまうことをオススメします。

 

この2つの講座の受講と、交通費&宿泊費で100万円近くのお金を投資しましたが、完全にお釣りがくるほどの実り多き経験になりました!

知識を掛け合わせるとパワフル
ぼくは2016年からコミュニケーショントレーニングネットワーク®︎(以下CTN)でコーチングとコミュニケーション(パラダイムシフトコミュニケーション®︎)を学ばせていただきました。WSDとLEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎を受講するまでは、このCTNで学んだことをベースにワークショップを設計してきました。今はCTN×WSD×LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎という3つの専門領域を掛け合わせて企画運営ができるようになったことで、ワークショップのクオリティが飛躍的に向上した実感があります。専門知識を掛け合わせることで生まれる化学反応は素晴らしくパワフルです!

年間40回の目標達成!

「た、達成できちゃった……!(焦)」

 

2019年の1月に立てた無謀な目標だったはずの年間40ワークショップの実施でしたが、上記の研修を始め、様々な場でワークショップに明け暮れたことで、なんと2019年12月に滑り込みで達成できてしてしまったのです! これには自分でもビックリしました。2018年には10数回のワークショップしか実施していないのですから、ざっと3倍です。昨対300%の成長なんてそうそう考えられないですよ……。最終的に2019年には41回のワークショップを開催することができました。

 

何が機能したのかと問われたら、「ぼく今年40回ワークショップしたいんだよ」って、折に触れて周囲に伝え続けたことです。おかげさまでたくさんのご縁を紹介していただくことができました。ぼくはこれまでワークショップを受注するための営業をしたことが1度もなく、依頼の大半は繋がりの中からいただいています。だから本当に文字通り、ご縁を運んでくださった方々のおかげで達成することができました。

 

そしてこの月は「全ての人が、はたらくことを通して自分を活かし、幸せに向かう社会を共に創り続ける」というビジョンのもと、仙台で組織開発コンサルを行っている(株)Palletとパートナー契約を結び、ワークショップデザイナーの肩書きをいただきました。企業に向けたワークショップをどんどん増やしていきたいとずっと考えていたところだったので、とても嬉しいオファーでした!

Palletで実施したワークショップ
・「リーダって何??」自分の言葉で定義した1泊2日
https://pallet-work.blogspot.com/2020/10/12.html
・「創って、語って、発見する! 組織の未来を切り拓くLEGO® SERIOUS PLAY®」
https://pallet-work.blogspot.com/2020/07/lego-serious-play.html

さらに高いコミットメント!

2020年。「今年はワークショップを70回開催する!」と、2019年よりさらに高いコミットを掲げました! 回数をキープ、あるいは減らして、1回あたりの単価を上げるという方向も考えたのですが、出来るだけ多くのワークショップを実施したい気持ちが勝り、限界に挑戦してみようと考えました。

 

コミットの達成に向けて必要なことはいくつかあるのですが、そのうちのひとつ「ワークショップ以外の仕事は断る」ということに関しては特に徹底して実施しました。ぼくはフリーランスなので、どんな仕事を受けるのも自由です。でも70回というワークショップを開催するためには、余計なことをしている暇はありません。

 

ちょっと興味が湧く案件、3ヶ月分の生活が保証されるくらいの報酬が見込める案件など、いくつかご依頼をいただきましたが、どれもお話しを聞いてから、間髪を入れずにご辞退させていただきました。ワークショップ以外の仕事はすぐに断れるようになったこと、その理由に「ぼくはワークショップデザイナーなので」と臆せず言えるようになったことに、自分自身の成長を感じ嬉しくなりました。

 

2018~2019年辺りは、不安を解消するためご依頼はほぼ断らずに受けていたと思うし、断るにしてもまた次に仕事をもらえるようにするにはどうしたらいいのかと、考えても仕方ないことに悩み翻弄されていたので、余計なストレスを抱え込むこともなくなりました。

当時のメモ

・2019年はこれまでで最もやり切った1年になって最高の気分! 2020年はこの年すらも超えて想像もしていない世界へ行きたい!全てに感謝!

・新年の目標、仕事以外のこともたくさん浮かんで嬉しかった。

ワークショップデザイナーにとって最大の危機……

2020年の出だしは絶好調でした! 目標の70回に向けて、1~2月で12件のワークショップを開催するというロケットスタート! 3月も4~5件のワークショップが見込まれていて、70回の達成って夢じゃないんだとワクワクが止まりませんでした。

 

しかし2020年の春先に、ワークショップデザイナーにとってはこれ以上に悪いことを想像するのが難しいほど、世の中の全てをひっくり返す出来事が起こりました。コロナウィルスの蔓延です。ぼくはリスクヘッジの観点から、セルフコミュニケーションを活発にするワークショップを6割、組織開発を2割、地域起こしに関連するワークショップを2割と、扱うワークショップの領域は分散させていたのですが、まさかワークショップそのものを実施不可能になる世界が現れるとはカケラほども想像していませんでしたので、これには唖然としました……。

 

特に、東京マラソンの中止が本当に大きなインパクトで、あの日以来、ガラリと潮目が変わったのを覚えています。実施予定だった合宿など先々の予定は全てキャンセルとなり、突然の失業状態に陥りました。1週間ほどで、総額にして300万円前後の収入予定が消失。1~2年目は貯蓄を少しづつ切り崩しながら生活を維持してきていたこともあり、かなり落ち込みました。意気込み上では、2020年は投資を回収できる1年になるはずだったのに……。

 

いろいろ悩んだし、当座のお金をどう工面するか見通しが立たずに心配は尽きませんでしたが、こんな時だからこそ優しい顔をしている時間を増やそうと、それだけを決意して3月を過ごしました。

いまワークショップデザイナーにできることとは?

ワークショップを実施できない日々はとても閉塞感がありました。お金が得られないという点も大きかったですが、個人的には「こんな大変な時に、何ひとつ世の中の役に立っていない」と感じてしまうことが何よりも辛かったです。

 

しかし、ぼくはワークショップデザイナー。問い作りのプロです。そこでこの自らが置かれた状況を打破する効果的な「問い」は何かを考え尽くした結果、「いまワークショップデザイナーができることは?」という、とてもシンプルで真っ直ぐな問いに心が動かされました。

 

社会が大きく揺れ動いていて、価値観の相違による対立が深まり、個々人の不安や不満が蓄積され、いつ爆発してもおかしくない状況に、どうやったらワークショップデザイナーは貢献できる?

 

この問いに対するぼくの結論は、ワークショップを設計し、発信することでした。

 

ワークショップは健全な自己対話を生み出します。コロナ禍で翻弄され、自分の気持ちを押し込めたり、外圧から反射的に行動せざるを得なくなってしまっている状況の人に、少しでも自分の今の状態や、目指している未来に目を向けることのできるきっかけを届けることができたら、それは大きな価値があると思いました。

 

そこで4月7日から毎日新しいワークショップを作り、5月4日までの約一ヶ月間、このブログを使って発信を続けました。

 

この期間に作成したワークショップは約100個。その中から、これはいま届けたいと思ったものを選びました。できるだけ実際のワークショップに近い形で届けたかったので、ブログ内には投影資料を貼り付け、ワークの指示を口語に近い形で書き、臨場感を感じられるよう設計しました。その結果、この記事を書いている2020年10月現在で、25個のワークショップを1,334回閲覧いただきました。

 

後日多くの知人から「ブログ見ていました! 心の安定に役立ちました!」と言ってもらえ、とても嬉しかったです。一度ワークショップを手放しバイトなどに行く選択もありましたが、ワークショップを、ワークショップデザイナーの価値を諦めなくて本当に良かった!

当時のメモ
・一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。只一燈を頼め。ぼくはワークショップを灯に進む。

新しい武器 オンラインワークショップ!

2020年の5月。コロナウィルスの影響で完全に自粛の毎日が続く中、ぼくの周囲ではオンラインワークショップの実施に向けた機運が一気に高まりました。もう当分外に出て集まることは叶わないという事実が充分に認識された末の大転換だったと思います。堰を切ったようにという表現がぴったりなくらい、オンラインでの対話の場作りが続きました。5月に実施したオンラインワークショップはなんと10回! それだけこの世界が、誰かと対話をする機会や、自分自身の心を整える機会を欲していたのかもしれません。

 

また、4月に作成し発信したブログのワークショップに対して「オンラインでワークショップを開催したいんですが、コンテンツを使わせてもらってもいいですか?」というお問い合わせを次々にいただきました。もちろん全て承諾し、投影資料も差し上げました。

 

もしコロナウィルスが蔓延しなければ、ぼくは絶対に、ワークショップそのものをブログで発信することも、オンラインでワークショップを開催することもあり得ませんでした。ぼくが作ったワークショップを他人が運営することもなかったでしょう。世の中全体を揺るがす未曾有の危機に直面したからこその、大きな大きなパラダイムシフトでした。

 

実戦を重ねた甲斐があり、6月には『リモートでワークショップやイベントを大成功させるための秘訣!』というウェビナーに登壇させていただきました。100名を超える方々にぼくのワークショップ感をお話しさせていただくことができ、とても光栄でした!

初オンラインワークショップ「NEW NORMAL を見据えた ONLINE WORKSHOP の探求」スライド公開 2020.06.12 22:04 Members【ウェビナー】第2回リモートでのワークショップを大成功させるための秘訣!

独立後のワークショップが100回を超えて気づいた「自分なくしの旅」

With コロナの生活が新しい当たり前となり、慎重を期した上で、対面のワークショップ実施が戻り始めた2020年9月。2018年5月に独立をしてから100回目となるワークショップを実施しました! 2年4ヶ月で100回もワークショップを実施できる未来が待っているなんて、退職を決意した日はもちろん、独立直後も全く想像できていませんでした! 100回のワークショップを開催するための道を切り開いてきたことはとても自信になったし、素直に嬉しかったです。また、ご依頼をいただいた皆様には、心からの感謝の気持ちが湧き続けています。

 

ひとしきり喜びを味わった後に、ふと、この100回は自分にとってどんな価値があったんだろう? という問いが生まれました。100回はすごいし、感慨深いし、誇らしいし、アピール材料にもなると思う。でも、それが本当の価値ではない気がする。この100回の本当に価値ってなんだろう?

 

そうして考えてみた結果、辿り着いたのが「この100回は自分なくしの旅だったという、冒頭に書いた発見でした。なぜならぼくにとってこの100回は、ワークショップを積み重ねてきたということよりも、ワークショップをするために自分から余分なものを手放し続けてきたという感覚の方が大きかったからです。

 

自分なくしという言葉は、みうらじゅんさんがお作りになられたのだと思います。ぼくは東日本大震災復興支援財団に勤めていた頃に、出張先で初めてみうらじゅんさんの本と出会いました。Kindleを開いたら『人生エロエロ』という本がセール中か何かでピックアップされいて、ポップなイラストの表紙がどどーっと目に飛び込んできたんです。

 

こんなアホみたいなタイトルと表紙の本があるのか(笑)と思い、興味本位で購入したら、本当に男のアホさが余すところなく詰め合わされていて一人で爆笑しました。面白さのあまり興奮してしまって、すぐ先輩にメールを送りました(笑)

 

復興支援財団での仕事は、どうしても思い詰めながら働いてしまう時間が多くなりがちだったので、心地の良い抜け感と、仏教に根ざした本質的な観点が詰まったみうらじゅんさんの書籍にはたくさん癒され、かつ、学ばせていただきました。あまりに没頭してしまい、一ヶ月近くみうらじゅんさんの本しか読まなかった時もあったくらいです(笑)

 

その中の一冊が『自分なくしの旅』でした。読了したのはもう6~7年前なので、正直この本の存在はすっかり忘れてしまっていたのですが、今回ごくごく自然に、自分なくしというワードが頭の中に浮かんできたのでした。

 

みうらじゅんさんは自分なくしについて、インタビューで「自分に向いていないことにペケをつけていく作業」と語られています。ペケをつけ続けて行った結果、残ったものが絶対的に自分に向いていると。

 

みんな、「きっと自分にしかできない何かがあるはずだ」って自分探しをするけど、その逆でね。一つひとつに対して諦めていく。

「“なくし”た先に見つけた自分」・みうらじゅん より引用

https://www.manetama.jp/report/miura-jun2/

 

という一文は、特に心に残っています。このお話しに照らして自分を振り返ってみると、ぼくはフリーランスとして独立をし、いろいろなお仕事をいただきながら、自分に合わないことにどんどんペケをつけ、諦めてきたのだと思います。

 

フリーランスになって、自分で仕事を選ぶことができるという状況になったことで、事務作業だけの裏方業務、日銭を稼ぐためのバイト、興味のない記事の執筆、会社勤め全般、知識を伝達するだけの講師業、ダラダラ続く会議、日報などの細かな報告、ヤル気のない人と相対する仕事、委託主と業者のような上下の関係になる仕事など、絶対自分に向いていない、フリーランスになってまでやりたいと思える業務ではないと感じることがいくつも見つかりました。それらを自分の生活から少しずつ遠ざけ、なくして行った結果、残ったのがワークショップだったんです。そうしたらいつの間にか、想像を超えるスピードで100回という数を実施していました。

 

その点から、1~2年目に多様なお仕事を任せていただけたことには感謝しかありません。中にはあまり成果を出すことができず、未だに申し訳なさを感じてしまう案件もありましたが……、機会をいただけたおかげで、自分のコアを見つけることができました。この場をお借りして、感謝の気持ちをお伝えさせていただきたいです。

 

ちなみに、ぼくは独立時にワークショップデザイナーとして開業届を出したものの、当時は2年間で100回もワークショップをやれることになるなんて思ってもいませんでした(笑) だって過去からの延長線上で考えたら、どう見ても1年間に10回程度の実施が妥当な回数でしたから。これは2年4ヶ月に換算すると、25回前後です。だからハッキリ言って、この期間での100回という結果は、想像することができていたペースを遥かに超えています。

 

その秘訣は何だったのかと聞かれたら、自分を増やし続けたらではなくて、自分をなくし続けたからこその成果であったと思うのです。

なくしたから、増えたもの

このように、ぼくは自分には合わないものをなくし続けたことで、ワークショップデザイナーとしての自分を形作ることができました。でも、決して自分が減り続けたわけではなく、むしろ自分が増えた部分もあることが、この旅のとても面白いポイントだったと感じています。

 

例えばぼくは、ワークショップを数多く実施するために依頼が欲しくて、このブログで文章を書くということに取り組んできました。これまでに公開した記事は207個、字数にして70万字弱になります!(1時間かけて207記事を開き文字数を全部足してみました笑)

 

207記事の中には、ネタがなくて捻り出したものや、全くワークショップに関係のない駄文もたくさんありますが……、たくさんの依頼主がブログを読んでくださり、発注を決めてくださいました。

 

ちなみに詳細は書くことができませんが、ブログを経由して、日本人なら誰もが知っている大企業の方から、ある国家プロジェクトのチームビルディングを行って欲しいと依頼をいただけたこともありました。あの時は飛び上がるほど嬉しかったです!

 

今年はさらに文章表現力を磨くため、天狼院書店のライティングゼミも受講し、どうやったらワークショップの素晴らしさを更に伝えることができるかを探究し続けています。これはワークショップという軸がなければ絶対に増えることがなかった自分でした。なぜならぼくは小心者なので、ブログなどを書いて、見知らぬ人に叩かれたり、アンチコメントとかを投稿される可能性があることが、とても嫌だからです……。また、長文を書き終わったあとは右手の手首がとっても痛い……! それでもワークショップのためだったら、書くことが苦になりません。

 

同じ意図から、最近はワークショップの様子を撮影し、雰囲気が伝わるように動画にしてUPする取り組みを始めています。こちらはまだ本数が多くないんですけど、動画の編集は自分にとってすごく楽しく、編集可能なネタがある日は夜な夜な作業をしています! 例えばこんな感じです。

動画編集も、きっと普通にフリーランスを続けていたら手を出さなかったと思います。プロマネや制度設計の業務に、動画編集のスキルは必要ありませんからね!(笑)

 

ところが今となっては、もしワークショップデザイナーとしての道が断たれるようなことがあった場合、文章を書く人として生計を立てるのもいいし、動画を撮影して暮らすのもいいなと思えるくらい、どちらのことも大好きになりました!

 

自分はこれじゃないと思ったものをなくし続けたから余白が生まれ、自分の感性がしっかりと働き、心が動くモノたちに出会えたんだと思います。

自分なくしのススメ

かなり長くなってしまいましたが、この記事はこれからフリーランスになる方や、既にフリーランスになっていて悩まれている方の後押しになればと思って書き始めたので、最後にぼくの体験から感じたことをメッセージさせていただきます。

 

ぼくは「李花は白く 桃花は紅」という禅語が好きなのですが、無理して自分ではない誰かになるのではなく、それぞれの魅力をそのままに発揮することが世の中にとっての貢献なんだと信じています。だから世の中には安定してお金を稼げるフリーランスになるために自分にできることを拡大し続けよう! という趣旨のメッセージが溢れているけれど、ぼくは正直、あんまり気にしなくっていいと思っています(笑)

 

ぼくはそれよりも、自分に合わないことにはペケをつけ続けて、自分をなくしていくことをオススメします。そうして、最後に残ったものに全力で取り組むほうが、自分の心もハッピーになるし、特定の領域において他の追随を許さない価値提供ができるようになるはずだと、自分の体験から学んだからです。

 

ペケをつけ続ける=自分の可能性を狭める

 

と考えて、怖さを感じたり、抵抗を覚える方もきっとたくさんいるのではないかと思います。独立したての自分もまさにそうで、いただけた仕事には何でも食いついてきました。でもぼくの場合は行けば行くほど、薄氷の上を歩んでいるような心地悪さに付き纏われました。この道の先には破滅しかないと、細胞のひとつひとつがアラートを出していたように思います。

 

もちろん、自分を増やすことで切り抜けられるフェーズや課題もたくさんあると思います。だからぼくは、自分を増やそうとすることを全く否定するつもりはありません。ただ、現状を打破するひとつの手段として、自分をなくすという方法を提示できたら価値があるだろうと考えました。

 

なぜなら、世の中の大多数の人が(特にやる気が多い人ほど)、自分を増やすことに躍起になっているのではないかと、思うからです。

 

今のあなたが現実に違いを生み出すためには、どちらがフィットしそうでしょうか?

 

もし、自分をなくしてみるのが面白そうとお感じになられた方がいたら、ぜひ、実際に試してみてください。そしてよければ、結果どんなことが起こったかを、いつか教えていただけたらとても嬉しいです。

自分なくしの旅は続く

このブログを書いている時点で、2020年は53回のワークショップを開催できる見込みです。昨年の41回は既に超えたので、あとはどこまでコミットの回数に近づけるか楽しみに感じています!

 

今年はコロナウィルスの影響で全くワークショップをやれなかった月もありましたが、その代わりに15回ほどのオンラインワークショップを開催することができたし、世の中で起きる物事には悪い側面もあれば、良い側面もあるんだなとしみじみ感じています。

 

これまでは東北〜九州までを移動しながらワークショップを重ねてきましたが、移動時間がワークショップの回数を最大化するための課題にもなっていました。しかし、オンラインでの実施をうまく組み合わせていけばこの課題をキレイに解決できる可能性があるため、ワークショップを年間で100回実施することが夢ではなくなるかもしれません!

 

2年4ヶ月で実施した回数を1年で実施できるようになったら……! どんなことが起こるのか全く想像もつかないですが、それだけ多くの人に関わり続けることができる毎日であれば、とても嬉しく、パワーが湧いてくるだろうと想像します。そして、もしここまでの規模に到達できたとしたら、その時はぜひ元上司をお誘いして、オレやったぜ! とご報告できたら嬉しいなと思いました。

 

そのためにもぼくは、自分にできないこと、合わないことは、これからもどんどん諦めて行こうと思います。どの仕事をする、しないというだけに留まらず、様々な我執や欲求に囚われているぼくですから、自分なくしの旅はどこまで行っても終わりがないのだろうなと思うのです。

 

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。

 

人生を自分らしく!

相内 洋輔

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