NOIE QUEST第8回~のいえ保育園で育った子どもが歩む人生~

架空の園児の未来を考える様子

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。

仙台を拠点にワークショップの企画運営や

ファシリテーション、コーチングなど、

人が前進するための場作りを行っています!

今年は20年来の友人が保育園の園長になることが決まり

彼が掲げる

誰もが自分らしさに向き合える保育園

というビジョンの実現を目指して

連続10回の研修を引き受けています。

「のいえ保育園」の先生が

様々な「探究を重ねる」研修なので

NOIE QUESTと名付けました。

第8回目となる今回は

「のいえ保育園で育った子どもが歩む人生」をテーマに

のいえ保育園で育った子どもたちにはどんな未来が待っているのか

みんなで想像しました!

目次

のいえ保育園の日常を作る!

第8回目のNOIE QUESTは

あそび、音、コトバ、自然、食からひとつを選び

のいえ保育園らしい取組みを妄想してくる!

という宿題のシェアから始まりました。

上記のテーマに沿って各自に企画書を書いてもらったのですが

NOIE QUEST第2回の時とは見違えるほど

企画書フォーマットに沿ってアイディアが整理されていました!

しかも共有されたアイディアは、

  • 子どもの探究心を引き出すこと
  • 先生自身が興味があること

のバランスがとても良かったです。

子どもの探究心を引き出す効果が見込まれ

先生自身も楽しいって

とっても素敵ですよね!

また、私はすっかり、

園児のための取組みが共有されるもの

と思い込んでいたのですが

6人のうち2人の参加者から

保護者向けのプログラムが提案されました。

これは完全にワークショップで設計した枠を超えていたので、

嬉しい逸脱でした。

「子どもの探究心を引き出す保育」を追求する以上

保育園内だけではなく、

家庭との協働を目指すほうが確かに効果的です。

とはいえ保護者を巻き込むには骨が折れます。

そもそも接点が少ないし、

通常の保育に加えて

保護者とのコミュニケーション機会を作る必要があります。

ただ、そうした制約条件に尻込みせず

やるからにはやりたい!という気持ちで

想いを伝えてくれた2人が眩しかったです。

この園でやろうとしていることを

みんな本気で広めたいと思ってる。

こうした気概が感じられる空間に身を置けるのは

ファシリテーターとしてとても心地が良いです。

のいえ保育園で育った子はどんな人生を歩むか!

次いでこの日のメインワークである

のいえ保育園で育った子はどんな人生を歩むか

0~40歳までの園児のストーリーを想像してみる!

というパートに移りました。

これまでのNOIE QUESTを経て

みんなが自分らしくいられる環境を整え

園児の探究心を引き出す!

というのいえ保育園のビジョンは

全員が深く理解できている状態となりました。

でも、

本当にこれがいいのか?

本当にこれでいいのか?

参加者の中に小さな小さな疑念が残り続けていることも事実でした。

なぜなら、

いまの時点でどれだけ思考を深め

背景を厚くしていっても

リアルな園児の姿が無いので

実際に効果を感じることができないからです。

このままでは、

それより先に進むことができません。

あいない

この疑念を取り払い、

前を向く力に転換することはできないだろうか??

そう思い考えたのがこのワークでした。

架空の園児をできるだけ具体的に思い描く!

まずはペアに別れて、

各ペアに園児の簡単なプロフィールが書かれた紙を配りました。

園児のプロフィール

この子がのいえ保育園の園児だったと仮定したら

こうした書いてあること以外には

どんなことが起こっているだろう?

先生はどんな風に関わるだろう?

のいえ保育園のプログラムを通じて

どんな能力や心構えを身に付けたんだろう?

それって外から見てもすぐ分かるもの?

それとも外からは見えないもの?

NOIE QUEST~第8回~

この子に関して、何か心配はある?

など、

プロフィールに書かれた情報をもとに

できる限り細かく園児像を膨らませるためです。

各ペアは自分たちのワークシートに

びっしりと生徒の情報を追記していって

シートの余白がほぼなくなっていた様子が印象的でした。

架空の園児が各年代でどんな体験をするか想像する!

そのうえで、

この園児が成長するにつれて

各年代でどんな体験をするだろうか

を想像していただきました!

のいえ保育園の園児が各年代で経験するだろうこと

のいえ保育の経験が活きる可能性と

のいえ保育園の経験が悪い効果を招く可能性と

両方から見ていただくことで

自分たちの保育がどのように作用するのか

イメージを固めてもらうためです。

園児の人生をストーリーにして書きあげる!

そして仕上げに

架空の園児の人生を文章にして書き上げていただきました。

園児の人生を想像で描く

文章はこのような形で、

ちょっとした例示をお見せした後に

インスピレーションが湧くよう

多数の接続詞を投影しながら作成していただきました。

インスピレーションを生むための接続詞

これは本来、

そう簡単なワークではないと思うのですが

各ペアともすごく真剣に園児の未来を想像してくれ

ワークへの集中度が凄まじかったです。

まだ出合ったことも無い園児なのに

この子はゼッタイこういう体験をするよね!

そうしたら、のいえ保育園で育ったんだーーってこと

きっと思い出してくれるよね!

といった会話が各ペアから聞かれ

想像力の逞しさと

のいえ保育園への愛着がとても伝わてってくる時間でした。

架空の園児の未来を考える様子

共通していた各ペアのストーリー

出来上がったストーリーは

のいえ保育園で育った影響が色濃く出ていて

ホントにこういう卒園生を輩出できたら素晴らしいな!

と心から思う内容でした。

また、よくこの短時間で、

本当は実在する人なのではないか!?

と錯覚するようなリアルで深いストーリーを作れたものだと

参加者のポテンシャルに脱帽でした。

園児の未来のストーリーを発表する様子

印象的だったのが

各ペアとも共通して

架空の園児が少しつまずく体験

をストーリーに入れていたことです。

ストーリーの構成は自由だったので

これは面白いことが起こったと思いました。

みんなが以下の2つのことを信じている証左だと感じたのです。

    1. のいえ保育園で育つ子は逆境も乗り越えられる
    2. 人生には辛い時、苦しい時があってもいい

こういう確信を持っている先生に育てられた子どもなら

すごく豊かに、パワフルに、人生を歩めると思いませんか?

私だったらこんな先生に自分の子を預けたいです。

出来上がった架空の園児の人生

これだけで、このワークをやった甲斐があるなあと感じました!

幼少期の体験はどこまで人生に影響を与えるか?

今回は難易度の高い取組みだったので

いつもより丁寧にワークショップの振り返りを実施しました。

始めに、

幼少期の保育が人生に与える影響

について改めて考えていただきました。

参加者が口を揃えて、

保育の重要性を認識しなおした

これまでに以上に大切だと思った

とシェアしてくれました。

また「初めて園児の人生をこんなに長いスパンで考えた!」

という声も聞かれました。

これはまさに、

今回のワークの狙いの1つでした。

というのも私は、

多くの保育士さんはお子さんを預かる期間だけしか意識せずに

日々の保育と向き合っているのではないか?

という仮説をもっていたんです。

それが悪いことだとは思いませんが、

園児の人生が豊かになる保育

を掲げるならばこれでは不足です。

私はのいえ保育園の先生には、

小学校への接続のために保育をするのではなく

未来でイキイキと暮らしている

大人になった園児の姿をハッキリと思い浮かべながら

今日というこの瞬間の保育に向き合って欲しい

と思っています。

現在の延長線上で保育を行っている人と

未来の理想の状態から今に戻って来て保育を行っている人とでは

園児との関わりの質が、全く異なるからです。

これらの関わりの積み重ねは、

園児の成長に対して、大きな差を生み出すはず!

この部分に触れる体験をしていだくことができ

本当に嬉しかったです!

続いて、

のいえ保育園は

  • 子どもたちが___と感じる体験を重ねる場所
  • 先生たちが___と感じながら保育に向き合う場所

という問いに取り組んでいただきました。

参加者のうち4名がこのどちらの問いに対しても

「自分らしくいられる」という言葉を選び

お互いにビックリし合っていました。

振り返りの問い

NOIE QUEST第1回

「のいえ保育園の保育士を3つのキーワードで表すとしたら?」

というワークに取り組んだ時、

みんなバラバラの回答だったのが懐かしい・・・!

4か月を経て、

ここまでピタリと一致してくるとは!

触発から更なる高みへ!

また、この問いと答えが、

更なる探究のテーマを連れて来てくれました。

「自分らしく」ってだいぶ分かってきたけど

でもやっぱりまだ分からない!

参加者の1人がそう話してくれたんです。

そうすると横で聞いていた別の参加者が

保護者の方に

「自分らしさを認めたらワガママになりませんか?」

って聞かれたらなんて答えたらいいんだろう。

ならないってのは分かってるんだけど

言葉ではいまいち上手く説明できない。

自分勝手にやってOKってわけじゃないんだけど

その人のことをそのまま認めたいし。

んーーームズカシイ。

と悩み始めました。

その様子に呼応して、

首を縦に振る参加者のなんと多いことか!

触発が触発を呼び、

場が深まっていく様子が見えました。

あいない
ここをハッキリつかまないとみんな次に進めないみたい

そう感じたので、

第9回のNOIE QUESTは予定を変更し

自分らしさを認めるとは?

をテーマに探究を深めることをその場で決めました。

この振り返りの問いは

NOIE QUEST第7回と8回のあいだ

にて参加者と打ち合わせをした際

「ぜひこういう問いを入れたい!」

と参加者自身がアイディアを出してくれたことから生まれました。

NOIE QUEST第8回の打ち合わせ

その問いから新たなトビラが開いたって、

いかにもワークショップって感じがしませんか!?

参加者と一緒に階段を登っていけている感覚が確かになった

とても高揚感を感じるエンディングでした。

次回もすごく楽しみです!

NOIE QUESTは続く。

参加者の感想

Aさん

今回は運営側のお手伝いもさせてもらいました。

打ち合わせ後は、

「私アイディア出せてたかな?」

「お手伝いになってたかな?」

と不安に思いましたが、

いざ出来上がったワークショップに参加してみると、

あの時の話がこんな風になるんだ!

と感動しました。

今回のワークは

のいえ保育園で育った子どもが歩む人生を

保育園入園から40歳まで想像するという長い設定でしたが

「きっとこうなるかな?」という直感や

「こうなってほしい!」という願望が入りながら考えられました。

のいえでこういう経験をして、

こういった大人と関わったらこうなるだろうな~

と話しながら進めるとイメージが膨らみました。

今まで子ども一人の人生を、

こんなにも考えたことはなかったので、とても新鮮でした。

また、きっとこうなるでしょ!

とポジティブな考えばかりが浮かんでいました。

楽しかった!

他の人たちの発表を聞いても、

その子の姿が浮かんでいたり、

みんな似たようなワードや人物像が出ていて、のいえらしいな~と思いました。

ワークを通して考え、みんなとのワークを共有して感じたのは

やはり子どもにとって幼少期の保育は大切だということです。

特に、子どもに関わる大人との関係が大きいということを感じました。

そして、のいえのメンバーも同じように思っていたので、よかったと思いました。

それぞれの保育を大切にしながらも、

目指す子どもの姿や保育を合わせていきながら

のいえ保育園ができればいいなと思いました。

最後の「子どもたちが…」「先生たちが…」の問いからは、

新たな問いが生まれたので、

人と話すことで色々な問いが出てくるんだなと思いました。

ステップアップに繋がるのではないのかなと思います。

運営側を少しだけ体験させてもらい

みんなにお疲れ様と言ってもらえて嬉しかったです(笑)

ありがとうございました!

Bさん

今日も始まるまでは何をするのかなとドキドキでした!

一方で、とびだす保育園ももうすぐなのに

まだ内容が固まらないこともあり憂鬱さもありました。

しかし毎度ながら始まってしまえば、

憂鬱さも吹き飛ぶくらいの楽しい時間となりました。

みんなが考えたのいえらしい企画の共有では

自分では思いつかない内容もたくさんあり

素直に実際にやりたいと思うことばかりで

自分の思考の幅を広がり勉強になりました。

また、

のいえ保育園に通園していた子の未来を想像していく企画では

初めに出ている情報からその子を読み取り

そこからののいえの関わりを考えていく際に

やはり今までの保育ではこう働きかけたけど

のいえではこうする!

ということをペアと明確にすることができ、

少しずつのいえらしい関わりが見えてきているのかなと思いました。

そしてその関わりが子どもにとって、

成長していく過程でくじけそうになったときも心の支えになったり

力になってくれそうな実感があって、考えていてすごくわくわくしました。

また、実際にそうなるようにしていきたいと改めて感じました。

そんな中で、QUEST中にも話しましたが

今までの保育園ではどれだけ0歳や1歳等の小さい時期に

思い入れやねらいを持って保育しても

その後の担任の保育内容や接し方によって

子どもが態度を変えたりするような姿を何回を体験してきたため

のいえでは学年や担任が変わっても保育に一貫性があり

人によって変わらない保育をしていきたいと思うし

大切なことだなとより一層感じました。

しかし人が変わってもかわらない保育

ということが現場では一番難しいことだし

本当に保育のプロとして意識して行わないと

すぐにぶれてしまうことだと思うので

今後も自分らしさを含め

のいえで極めていきたいところだなと思いました。

今日のワークを通して

改めてのいえらしい保育を考えることもでき、

もしかしたら子どもに対して

短期的にみるとマイナスな影響を与えるときもあるかもしれないけど

長期的にみるとプラスに影響を与えるはずだと再確認できました。

Cさん

『のいえ保育園らしい取り組みを妄想して伝える』

という前回の問いから

私は子どもだけではなく

保護者ものいえと出会うことで

「自分らしく、豊かな人生」を送ってほしい、

一緒に探究していきたいと考えていることに気づいた。

とびだす保育園で

親子イベントを企画・運営しているから

余計にその方向に思考が進んだんだと思う。

自分自身の「在り方」や「自分らしさ」に向き合ってきて

自分らしく生きるということ

こんな在り方でいたいということが掴めてきた。

保育園開園も近づいてきたので

今日のワークで行った

のいえ保育園に通った子どもが

40歳になるまでのストーリーを考えたことは

これから迎える子ども達に一気に近づいた気がして

難しさを感じながらも楽しかった。

難しいと感じたのは、

自分の中では感覚的にわかっていても

保護者やこれから働く先生たちと

どうシェアしていったらよいのか分からないことがある

という部分からきている。

次回のNOIE QUESTまで自分たちで考え

当日なにか掴むことができたらいいなと思う。

いや、掴みたい。掴みます。

また、このワークをやったことで

『のいえらしさ』の要素がそれぞれのグループに入っていて

話しているのも聞いているのも楽しかった。

共通していたのは、のいえ保育園での関りの際に

保育士としてその子の選択肢や個人を尊重している

ということだと思った。

自分もそうだけれど、

褒められたりとか良い評価をされるよりも

自分の得意なことも、苦手なことも、失敗もあってあなただよね。

と承認されることで安心感をもっていられるなと

その大切さを改めて感じた。

今回のいえのメンバーが初めて運営に入ることになったが

今日までたくさん考えて来た事を知り、良い意味で驚いた。

無理をしていない感じがあり、見習いたいなと思った。

Dさん

NOIE QUESTの宿題を考えるにあたり

この程度の企画で大丈夫かとだいぶ悩んだが

結果として皆に賛同してもらえて良かった。

みんなそれぞれ楽しい企画をしていたので実施できると良いと思う。

「のいえ保育園で育った子どもが歩む人生を想像する」ワークでは

40歳までの成長過程を想像してみて

可能性やリスク等を含めて考えてみると

園児との接し方までも想像が出来て

幼少期の影響の大きさを改めて感じた。

これまでは「どんな子どもに育つだろう?」

と疑問に感じているだけで想像もしていなかった。

他のメンバーが言っていたとおり

保育園で大切にしていることのベクトルが同じ方向を向いていないと

園児に混乱を招いたり、性格や行動ががらっと変わることに繋がる
ということが起こるのだと初めて気づいた。

成功が続いて磨かれる人もいれば

挫折して乗り越えて進む人生もある。

苦しい時期も“のいえ保育園”で培った経験や教えから

乗り越えてくれる卒園児がいたら、本当に嬉しく思う。

これまで問い続けた“自分らしさ”について

次回のNOIE QUESTで鮮明にしていきたい。

Eさん

久々のNOIE QUESTで朝からずっとそわそわしていた。

QUESTのあとはスッキリしていることが多いし

最近来月のイベントで脳みそがぱんぱんになっていることもあって

早くQUESTに参加したかった。

逃げたかったわけではないけれど。。。

のいえで育った子どもがどんな未来を歩んでいくか

をペアで考えている時に

「のいえの環境とちがう」

と子どもが悩む時はかなり高確率であるだろうな~と真っ先に思った。

特にきっと小学生の時に思うだろうな・・・。

小学生のうちは自分が考えるよりも先に指示されるし

指示されてからも「さっさと!」とか「急いで」とか

更に指示を追加され有無を言わさず行動“させられる”。

自分自身が小学校時代にそれを苦痛に思っていたこともあって

のいえでのびのび自分で考えながら選択して

失敗も成功も何度も繰り返して

また自分で選んでということを当たり前にして来た子が

小学校で「考えないこと」が当たり前

のような毎日を過ごさなければいけなくなるなんて・・・

と妄想の中だけれど「悩んじゃうだろうな、落ちちゃうだろうな」と心配した。

でも、それだけではなくて

悩むし落ち込む時もあるだろうけど

絶対にどこかでのいえでの体験も思い出すだろうな

という考えも自然と出てきた。

のいえで過ごす子どもたちが

毎日のいえを思い出すことがなくても

ふとした時にのいえでの体験がよみがえったり

ちょっと連絡とってみようかなと思ってもらえたりして

踏ん張れる活力になってほしいなと思った。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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